新年をむかえて

 あけましておめでとうございます。当ブログに今年もよろしくお付き合い下さい。
 昨年は、復興元年と言いながら、瓦礫の拡散処理や大飯原発の再稼動、自民党政権の復活と暗い話題が目白押しの1年でした。
大衆運動の分野では、特定の政党や労組が中心とならない、一般民衆発の官邸前抗議行動、全国主要都市での脱原発デモなど、これまでにない様相のデモ行動がありました。

 我が農業に目を向ければ、4月の大風、5月の台風による水害や8月の猛暑による旱魃で、農産物被害が相次ぎました。
水稲の場合は、収量が6割以下に減収すれば、共済保険が適用になり収入補填されるのですが、露地野菜の場合は、保険など無いので異常気象による被害は、農家が泣き寝入りという状態です。まさに、異常気象が散発する近年においては、ギャンブルに等しい産業になりつつあります。

 そんな近年の気象変化に対して、土づくりの重要性が高まっています。団粒化の進んだ深い作土層の、膨軟かつ有用微生物の活発な土壌は、作物の生育に最適であり異常気象に於いても耐性が高まります。そのような土づくりを目差して日々努力しているせいか、年々土が良くなっていく実感がえられます。
そして、病気に強い元気で日持ちの良い作物が採れます。もちろん、味も納得のものです。
 当農園では秋には、堆肥を投入して、土を転地返しします。そうすると、寒ざらしで、越冬する虫の卵や草の種がある程度死滅して、春には膨軟な土に育っていきます。春先にぼかしを散布してから、種や苗の植え付けを行います。こんな風にして毎年土が良くなっていくのです。
 しょっちゅうロータリーで耕して草1本生えないようにするのは最悪で、土の物理性を悪くし、耕盤を固め排水を悪くし、微生物の繁殖の妨げとなります。
また、栽培に、化学肥料(無機肥料)のみを使用することも、土の微生物性を低下させ連作障害がでやすくなる原因となります。
従って、有用な微生物が繁殖できる土づくりを実践していけば、おのずと水持の良い旱魃に強い土壌と根張りの良い野菜がそ育つのです。
しかし、これが体感できるまで10年ぐらい修行しないとダメなのかなぁ?なんて思ってます。
農業って、それほど大変な産業なのですね。土は、工場で言えば、生産設備みたいなものですからとっても大事なのです。
ヨーロッパでは、農地の税金が、土地の肥えている度合いによって設定されている国もあります。それほど、肥沃な農地は宝なのです。
それを耕作放棄地にして、荒らしておくなんてもったいないのです。

まぁ、とにかく今年も温かく見守ってください。