他人の狭間に生きる

 最近、直売所や産直がブームだが普通に野菜を作って販売すると家庭菜園や他農家の出荷時期と重なり、店の棚は一挙に供給過剰状態に変化する。
例えば10日ぐらい前にあるスーパーの産直コーナーの平台の上がトマト、なす、ピーマン、きゅうりで山となってなかなか売れ行きが見えなくなっていた。
そうなると鮮度が落ちてしまう商品は多くなり引き取る野菜が出てくるのだ。
また、販売先が1箇所では販売に行き詰まってしまう。かといって中途半端な作付け量では、注文生産に応えられない。このへんが個人経営の農家の大変なところなのだ。
このリスクを回避する為に販売先を複数抱えるのだが、さすがに複数の販売先にまんべんなく野菜を供給するのは大変だ。
しかし、売れ行き情報を自分なりに追っかけていれば、どのタイミングでどの店にどのぐらいの量の野菜を供給すればよいかはおのずと見えてくるのである。
それを、しっかり日記に付けておいて、翌年の作付けに活かすことが重要だ。
みんなが作っている野菜を同じ時期に作ると供給過剰になり値崩れが起きるし一人当たりの販売量も減少する。

この対策をどの様に進めたらいいか考えてみる。
○食材って、単一の材料で成り立っている訳ではないので、その辺も加味して補助的な食材も有効である。主材料が売れれば、一緒に売れる可能性が高い。
○季節が来ると食べたくなる野菜で生産者の供給が貧弱なもの(当地では夏のトウモロコシや枝豆等)を大量に作って販売する。当たれば収入激増
○通常、地場産野菜が出回る時期の1ヶ月前、1ヵ月後に販売できるようにつくる。(なす、トマト、きゅうり、かぼちゃ、小松菜、ほうれん草、ブロッコリー)他との競合があまり無いので売りやすい。
○他の農家があまり作付けしていないが、消費者が好んで日常的に購入する野菜。(当地では、アスパラガス)
○販売形態を(主)市場で都市流通とし、そこに出荷する為に大量生産し、端数の野菜や規格外を直売&産直で販売。まとまった収入が得られるが消費者情報が得られなくなる。

結論は、ちょっとだけ他人の狭間に生きることだと思う。
①生産は時期的に少しずらす。
②他農家が生産しにくい作物にチャレンジする 
③消費者の動向や販売のタイミングを常に考慮した販売戦略をたてる。
④コスト低減の努力(苗代、農作業の複合化、作付けデザインによる管理作業と収穫作業の効率化)

さぁ、明けない夜は無い!明日もがんばっぺし!